
当日の流れ
日々のタスク
あなたの主な業務は何ですか?

現在は、複数拠点で働く300名以上の従業員(正社員・パート社員)の業務を支えるシステム全体を運用しています。システム管理者として、社内のITインフラ全体を維持・改善しています。主な業務は、Windows Server・Active Directoryの管理、AWSやGoogle Cloudなどのクラウドサービス運用、UniFiネットワーク設計・管理、社内Wikiや資産管理システムの開発・保守などです。オフィスでもリモートでも、全員が安全かつ快適に働ける環境づくりを目指しています。
また、日によってはオフィスのちょっとした設備作業も担当します。新しい電源コンセントの取り付け、天井や床下の配線、カメラシステムの管理、壊れた電子機器の修理(パソコン、バーコードスキャナー、携帯電話など何でも)など、本当に幅広く対応しています。一人ですべてを担当しているため、どうしても手一杯になってしまいがちです。
今後は、セキュリティ強化、業務自動化、災害対策とBCP(事業継続計画)の整備を進め、より強固で柔軟なIT環境を構築していく予定です。
日常的に使用するツールやプラットフォームは何ですか?
Windows Server / Active Directory AWS / Google Cloud UniFiネットワーク 社内Wiki・資産管理ツール 監視・運用ツール スクリプトツール(状況に応じ作成)
どのようにタスクを優先順位付けしていますか?
影響度と緊急度が基準です。業務継続に支障が出る問題を最優先に対応し、その後メンテナンスや改善プロジェクトを進めています。
チームコラボレーション
あなたのチームについて教えてください?
私は会社のシステム管理者として単独で業務を行っていますが、全ての部署にとっての中心的なサポート窓口として機能しています。一般的なITチーム構成とは異なり、私の役割はサーバーやネットワーク、デバイス、クラウドサービスに至るまで、ITインフラ全体を一人で管理・運用することです。そのため、各システムがどのようにつながり、どのように機能しているのかを包括的に把握でき、サポートが必要な際にも迅速に対応することができています。
チームの独自のポイントは何ですか?
私の役割の特徴は、ITオペレーションのすべての領域を一人で担っている点にあります。そのため、計画立案から実行、トラブルシューティング、セキュリティ対策、さらには長期的な改善に至るまで、あらゆる業務に関わっています。代表と直接相談し業務を行っていくため、判断を迅速に行うことができ、システム全体の整合性を保つことが可能です。また、環境全体を直接管理しているため、問題の兆候を早期に察知し、会社全体が安定して利用できる予測可能なインフラを維持することができています。

ZenGroup内で他の部門と協力していますか?

ITは事業全体を支える役割を担っているため、私はほぼすべての部署と密接に連携して業務を行っています。各拠点のオペレーション・物流チームをはじめ、管理部門、人事、経理、倉庫チーム、そして経営陣など、関わる範囲は多岐にわたります。新しいシステムの導入や業務フローの改善、技術的な問題解決など、どのような場面においても、関係部署と調整しながら、テクノロジーが各チームの業務を効果的に支えられるよう取り組んでいます。
学習と成長
現在のポジションで最新のトレンドをどのように把握していますか?
私は業界ニュース、セキュリティ関連の勧告、各ベンダーが公開している技術ドキュメント、専門コミュニティなどを積極的に追いかけることで、新しい技術を常に学ぶようにしています。ITは変化が非常に速いため、Microsoft、Google Cloud、AWS、UniFi からのアップデートを定期的に確認し、導入前に新機能や潜在的な問題点を把握するようにしています。 また、セキュリティやインフラ運用における最新のベストプラクティスを継続的に確認し、環境を現代的かつ信頼できる状態に保つことにも注力しています。それに加え、社内のセキュリティ意識を高めるために、管理者権限のフィッシングやアカウント侵害を模した“疑似攻撃”を行うこともあります。インターネットやソーシャルエンジニアリングの危険性を全員が理解する必要がありますし、セキュリティ脅威に直面した際のユーザー行動データは非常に重要だからです。
自己改善のために何をしていますか?
自己成長の軸は、とにかく“手を動かすこと”です。新しいツールを試し、小さなプロトタイプを作り、実際に触れて理解を深めています。本番環境に適用する前に、隔離したテスト環境でさまざまな設定を試験することも欠かせません。また、ワークフロー改善、業務の自動化、ドキュメント整備にも継続的に時間を投資しています。これらによりインフラ全体がより扱いやすく、ミスの起こりにくいものになっていきます。学び続けることそのものがこの仕事の一部であり、私自身が技術面で成長するほど、会社全体のIT基盤がより強いものになっていくと感じています。さらに、廃基板いじりなどを通じて物理的な修理スキルも磨き続けています。
仕事と生活のバランス
ZenGroupでの仕事と生活のバランスをどのように管理していますか?
私の担当範囲はサーバーからネットワーク、クラウドサービスまで多岐にわたり、同じ1日というものがほとんどありません。業務を整理するために、タスク管理のルーティンを明確にしておくことを大切にしています。まずは最優先の課題を片づけ、長期的な安定性を見据えながら、小さな問題が大きなトラブルに発展しないよう注意を払っています。
ITは、物流センターが稼働していない時間帯や社員が席を外している合間に対応すべき場面がありますが、それでも可能な限り意識的に休息をとり、リセットできる時間を確保しています。わずかな休憩でも、長期的なパフォーマンスには大きな効果があります。
生産性を維持し、燃え尽き症候群を防ぐためのアドバイスはありますか?
ITの仕事はどうしてもストレスが大きくなる場面があります。だからこそ、混乱が起きる前に“予防”することを重視しています。繰り返し作業の自動化、ドキュメントの整備、壊れにくい仕組みづくり、これらによりストレスを減らし、生産性を安定させています。
個人的には、自分のペースを守ることが非常に大切だと感じています。短い休憩を取る、画面から離れる、境界線(オン・オフ)を保つといった小さな工夫が効果的です。そして時には、街を離れてリフレッシュしたり、景色を変えたり、新しい場所や昔のお気に入りの場所を訪れたりして、心を完全にリセットすることも必要です。また、新しい技術やその周辺分野に対する好奇心を持ち続けることで、どれだけ大変な日であっても「学びがある」という感覚がモチベーションの維持につながります。
エピソードやストーリー
あなたの役割での記憶に残る経験や成功例を共有できますか?

印象に残っている経験ですか?たくさんあります。中でも特に印象的だったのは、たった1台の不具合を起こした機器が、ネットワークの一部をダウンさせた日です。原因を突き止めてみると、なんとIP電話が「自分がDHCPサーバーになろう」としていたことが判明しました。 その原因を追いかける作業は、スイッチやVLANが入り組んだ迷路の中で幽霊を探しているような感覚でした。 背景として、IP電話の背面にはポートが2つあります。1つはスイッチから電話機へ接続するためのポート(インターネット接続用)、もう1つは電話機からPCへ接続するためのポート(1本の回線を共有するための中継のような役割)です。 旧来のネットワーク構成では、これらを誤って接続してしまうと、IP電話がメインルーターとDHCPの割り当てを競合しようとしてしまいます。言うまでもなく、その結果、オフィス全体で通信障害が発生することになりました。
別の日には、サーバーとネットワークの大規模アップグレードを丸一日で終え、翌朝ヘトヘトの状態で出社しました。しかし最初に言われたのは「モニターの明るさを直してほしい」でした。このとき私はITの普遍的な真理を悟りました。「静かな成功も成功である。そして、明るさ設定の悩みは永遠だ。」
また日常的な“あるある”として、「何もしていないのに急に動かなくなった」と言われることもよくあります。毎回小さな探偵のような気持ちで原因を探り当てています。時には、私がその場に到着した瞬間、なぜか機器が“自ら”正常に戻ることもあります。まるで彼らが「誰がボスか」を分かっているかのようです。
個人的な見解
あなたの仕事で最も楽しんでいることは何ですか?
私が一番楽しんでいるのは、問題解決と“静かな勝利”の組み合わせです。なかなか姿を見せない原因を突き止め、修正し、すべてが再び正常に動いた瞬間は言葉にできない達成感があります。また、この仕事は変化に富んでいます。ある日はサーバーやクラウドを扱い、次の日は社内ツールを改善し、その翌日は物流センターで“事件解決”に走り回ることもあります。 退屈している暇はなく、常に進化し続けるところがこの仕事の魅力です。

あなたのポジションを始めたばかりの人にどんなアドバイスをしますか?
ルール①:システム管理者の仕事について語るな。
ルール②:システム管理者の仕事について絶対に語るな。
……さて、本気のアドバイスはこちら:
- 好奇心を持つこと。新しいツール、システム、方法を探求し続けることで成長できます。
- プレッシャーの中でも落ち着くこと。トラブルは最悪のタイミングで起こるもの。大事なのは“反応の仕方”。
- すべてを記録すること。将来の自分も、同僚も助かります。
- プロアクティブに考えること。問題を未然に防ぐのが最善策。
- 全部を同時にやろうとしないこと。優先順位をつけ、段階的に進め、“今はまだ”と言える勇気を持つ。
- 無理のないペースを守ること。
最後にもっとも大切なこと。この仕事はパズルを楽しめる人に向いています。複雑なシステムを思い通りに動かせたときの満足感は格別です。要求は多いですが、やりがいの大きい、とても面白い職種です。








