ここ数年、働き方改革の一貫として柔軟な働き方の実現に関心が集まっています。
今回は、ゼンマーケットでの柔軟な働き方制度の一つである「副業」についてご紹介します。
実際にメンバーが行っている副業についても話を聞きました。
2018年は「副業元年」?
日本で副業という言葉をよく聞くようになったのもこのころからではないでしょうか?
というのも、2018年は「副業元年」と言われているからです。
その背景には、「一億総活躍社会の実現」のため、政府が柔軟な働き方ができるように環境の整備を勧めていることがあります。そこで「働き方改革」という言葉をよく耳にするようになりましたよね。
この働き方改革に伴って、2018年に厚生労働省が「モデル就業規則」の改定を行いました。「モデル就業規則」とは、各企業が就業規則を制定する元となる規則のことです。
この規則内の副業に関する文言は従来まで「許可なく他の会社等の業務に従事しないこと」となっていましたが、「勤務時間外において、他の会社等の業務に従事することができる」に変更されました。
これにより、社会全体でも副業や兼業などの柔軟な働き方の実現を目指す流れになったのです。
なぜ副業が勧められているの?
政府としても副業を推進している事がわかりました。
しかし、なぜいま柔軟な働き方の実現が大切なのでしょうか。
それは、ライフステージに併せて自分で働き方を選べる環境を作っていくことが大切になっているからです。
人生100年時代といわれる今、若いうちから自分のキャリアをどのように築いていくかを考える事が必要とされています。
教育を受けた後、一つの会社に長く勤めて、定年後は退職金で余生を楽しむ…
こういった人生はもはや幻となりつつあるのかもしれません。
健康寿命が伸びることで、労働寿命も長くなります。
65歳以上でもまだまだ働き続けたい!という人も増えてくることでしょう。
また、教育から働くステージに入る時期も、人それぞれ大きく異なります。時には働いた後にもう一度教育のステージに入る人もいることでしょう。
そういったライフステージの多様化に対応するためにも、副業が勧められているようです。
その他にも、多くの会社員が副業をすることにより、労働市場の流動化や所得の増加等、経済成長にとっても後押しとなる要因があるため、副業の解禁の流れとなりました。
副業OKな会社って?
実際にどのような会社であれば副業が正式に認められているのか気になりますよね。
株式会社マイナビの「働き方、副業・兼業に関するレポート(2020年)」によると、副業・兼業を認めている企業は全体で49.6%です。
医療・福祉・介護業種で副業が認められている割合が最も高く57.2%の企業が副業を認めています。
続いてサービス・レジャー業界が56.2%、IT・通信、インターネット業界が 55.6%となっています。
最近では大手企業でも副業が認められている傾向があり、多様な働き方の実現に少しずつ近づいて行っているようです。
企業が副業を容認する理由とは?
企業側が社員の副業を進める理由はどのようなものなのでしょうか。
①社員の収入を補填するため 43.4%
②社員のモチベーションを挙げるため 37.5%
③社員にスキルアップしてもらうため 33.8%
株式会社マイナビの同レポートによると、社員の収入を補填するためという理由が最も多く、次いで社員のモチベーションを上げるため、スキルアップをしてもらうためという理由がありました。
企業側にとっても、社員の副業がメリットになる場合があるようですね。
また、同社による他のレポートによると、副業を認めている企業の方が、認めていない企業よりも中途採用の内定者に対して満足している割合が高いという結果も出ているようです。
※参照「転職活動における行動特性調査(2020年)」
そのため、企業にとっても社員の副業がメリットとなることで、副業容認の流れとなっているのではないでしょうか。
副業のメリットとデメリットとは?
それでは、副業をするメリットとデメリットは何なのでしょうか。
メリット
①キャリアが広がる
本業をつづけながら、副業として事業を始めると、本業だけでは得られなかった新たなスキルや経験を得る事ができます。
例えば、副業として事業を始める際には、売り上げや経費の管理業務が発生します。
また、人を雇うことになった場合にはマネジメント業務が発生します。
本業とは異なる業種にチャレンジすることで、新しいスキルを得ることができ、知識が広がり、新たなキャリアを考えるきっかけとなるかもしれません。
②本業に活かす事ができる
副業として事業に関わる上で、本業に役立つスキルや気づきを得ることができます。
ゼンマーケットのメンバーの中にも、副業で得た知識やスキルが本業に役に立ったと感じる人もいるようです。
③人脈の形成につながる
副業をすることで、新たな人脈を形成することができます。最近ではふるさと副業という、自分の故郷に貢献するために故郷の企業で副業したり、自分の持っているスキルを好きな町や地元に提供する事が行われているようです。
④所得が増える
本業の所得を得ながら、興味のあることに挑戦し所得を得ることができるため、収入を増やすことができます。
デメリット
①労働時間が長くなる
副業とは、あくまで本業と同等程度までは力を入れずに達成できる仕事の事を指します。
しかし、副業といえど仕事は仕事。手を抜くことはできないため、どうしても労働時間が長くなってしまうこともあるようです。
例えばゼンマーケットでは、9時15分〜18時15分の就業時間が定められています。残業が少なければ就業時間後に副業をすることも不可能ではないでしょう。
しかし、毎日3時間の副業を続けるとすると、睡眠時間の確保や本業のスキルを磨く時間など、自分のための時間がなくなってしまうことにつながります。
長時間労働によって本業に支障が出ないよう、注意が必要です。
②健康管理が難しくなる
労働時間が長くなってしまうと、どうしても健康の管理が難しくなってしまいます。
本業も副業もどちらも頑張ってしまい、結局両方の生産性が落ちてしまう…なんて事があるかもしれません。
どちらの生産性も下がってしまうと、時間当たりの生産性が落ち、結局は長時間労働につながってしまうと、健康の管理が難しくなってくるのは容易に想像できますよね。
③本業の会社との折り合いがつかなくなる
副業をすることで、本業の生産性が落ち、パフォーマンスが低下してしまった場合は副業を続けることが難しくなるでしょう。
また、本業と同じ業種での副業をしている場合、本業で得た情報を副業に活かしてしまうと、情報漏洩、ひいては損害賠償にまでつながることがあるため、注意が必要です。
メンバーは実際にどんな副業をしているの?
ゼンマーケットのメンバーたちは実際にどのような副業をしているのでしょうか。
・地方創生(特にインバウンド旅行)のコンサルタント
・画家(展示会参加や有名企業とのコラボイベントでのライブペイント等)
・ゲームの翻訳
・ウクライナ関連の映像翻訳と取材通訳
・専門的ウェブメディアの運営
・店舗開発業の請負 等々
ゼンマーケットでは、会社と同じEC物販等の業種以外であれば副業は自由。
申請をすれば業務に支障のない範囲内で副業をすることが可能なので、
様々な副業をしているメンバーがいます。
メンバーの思う副業のメリット
実際に副業に取り組んでいるメンバーに、副業をやっていて良かったことを聞いてみました。
①喜びや達成感を感じられる
・以前旅行業界で働いていた経験を活かして大好きな日本を海外とつなげるための努力ができます。また、地方で現地の名産物を食べることもできるので、さらにディープな日本を理解することもできます。
・ウクライナ人という自分のアイデンティティを日本国内で活かせる数少ない仕事ができることで達成感が得られます。
・自分が書いた言葉やオマージュを、世界中のユーザーが読んで喜んだり楽しんだりするのが嬉しいです。
②自分を表現できる・楽しい
・画家として、社会に対して自分の発想をぶつけることができます。
・クリエイティブが好きなので趣味のような感覚で副業ができて嬉しいです。
つながりができる・刺激を受けられる
・異業種で多様なキャリアの方にお会いすることで刺激を受けることができます。
将来、独立を考えていましたが、それだけではなく会社員としても成長して本業に貢献したいという気持ちも強くなりました。
・イベントに参加したり、他の芸術家と交流することができます。
③本業に活かせる
・副業をする中でお付き合いの幅が広がり、会社の事業紹介や、ZenPlus(越境ECモール)への出店を勧めるなど、本業にもいい影響を与える事ができています。
・ゼンマーケットも想像力が活かせる職場なので、副業の経験を本業に応用できるのが嬉しいです。
④副収入が得られる
・自分が社会に出たのは人より15年遅かったので貯金も全て遅れていますから、助かっています。
⑤スキルを活かせる・維持できる
・ウクライナ語と翻訳のスキルをある程度維持できることです。今している仕事は日本語とウクライナ語を使いますが、厳密にいうと翻訳とはかけ離れているので、副業でもともとの専攻が活かされています。
副業の大変なところ
達成感や楽しさを得られる反面、大変な事もあるはずです。
そこでメンバー達に、副業をやっていくうえで大変だと感じている点について聞いてみました。
①タイムマネジメントが必要
・画家は睡眠時間を削ってやらないといけません。
・また、コンサルタントでは、検討会や意見交流会は不定期に開催されるため時間調整が難しい面があります。とくにコロナ禍では突然案件がなくなることも…
・本業の勤務時間外にやっているので時間管理の能力が試されます。
・通勤時間や昼休みにメールチェックをしたり、相手先で打ち合わせが必要な場合、有給・半休をいただくこともあります。ですが祝日勤務の替わりとして有休を多めに支給してもらえるので、とても助けられています。
②体力的に大変
・フルタイムの勤務、それも管理職にプラスで副業をすることは体力的には正直きついです。ロシア侵攻が始まった今は引っ張りだこではありますが、それまではウクライナ語の仕事などめったに入らないので、入るときは、体力的にきつくてもできるだけ引き受けるようにしていました。
③ストレスや苦労
・表現できるまでのストレス、展示会の期限に追われる、うまく描けない時のストレス、批評を受けるときのストレスがあります。
・個人事業主届を出しているので、確定申告には少し苦労しました。
まとめ
2018年、政府のモデル就業規則の改定により多くの企業で副業容認の流れが広まりました。
その後は副業に興味を持つ会社員も多く、また企業も従業員のモチベーション向上などとメリットがあるため、大手企業等でも副業を認める企業が増えてきています。
副業には新しいスキルや気づきを得ることができたり、所得が増えたりと様々なメリットがありますが、同時に長時間労働や健康管理上での問題など、デメリットもあります。
そのため本業には支障のない範囲内で収める必要があるでしょう。
ゼンマーケットでも、もちろん副業を認めています。ワークライフバランスが整っているため、自分の興味のある事業等に積極的に挑戦することが可能です。
特に、今回話を聞いたメンバーの内容から分かる通り、実際に様々な副業をしている事が分かりました。
ゼンマーケットでは、副業の他にもフレックスタイム制度など、多様な働き方を推進する制度が整ってきています。
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